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四季を感じる日々の暮らしを綴っていきます。大好きな京都、鎌倉、花、甘いもの、そして アンティーク。過去記事にもお気軽にコメントどうぞ。


by noyuri
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中原淳一展 へ

先日、横浜のそごう美術館で開催されている「生誕100周年記念 中原淳一展」に行ってきました。

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少女の夢と憧れ、女性の美についてを生涯、表現され続けた中原淳一さん

中原淳一さんは、第二次世界大戦が始まる前、日本に暗い雲がかかり始めた頃、
人形制作や、美しい女性の挿絵を描いて一躍注目を浴びました。
戦前に「少女の友」という少女向け雑誌の挿絵を描いて画家としてデビューします。
戦後女性向け雑誌「ひまわり」を創刊。
自ら編集に携わり、戦後の女性たちへ美しく生きることを提案。
それは、単に外観を華やかに着飾るということだけでなく
女性としての身だしなみや、作法、手芸から住まいや暮らしのちょっとした工夫まで
提案し、当時たくさんの女性から共感を得ます。

余り布を縫ってパッチワークしてマットにするとか、
真っ白なエプロンにアップリケをしてかわいくするとか、
押入れを工夫して洋服入れや本棚にしてみるとか
床の間をディスプレイスペースや収納スペースにするとか
木箱を利用してペイントして棚を作ってみるとか。。。

今、インテリア雑誌で掲載されているようなことを
戦後「ひまわり」や「ジュニアソレイユ」という雑誌で提案されていたのです。

古くなった洋服を作り変えてリフォームしたり、当時の流行の洋服やスタイルを提案するだけでなく
自分で一工夫してみるという生活の知恵もいろいろ紹介されていました。

日本の「かわいい」文化の元祖的な方というイメージが先行していましたが、
外見の美だけでなく内面からくる女性の美を追求されていた方なんだなと改めて思いました。

私の好きな中原淳一さんの言葉を紹介します。


もしこの世の中に、風にゆれる「花」がなかったら、人の心はもっともっと荒んでいたかもしれない。

もしこの世の中に、「色」がなかったら、人々の人生観まで変わっていたかもしれない。

もしこの世の中に、「信じる」ことがなかったら、一日として安心していられない。

もしこの世の中に、「思いやり」がなかったら、淋しくて、とても生きてはいられない。

もしこの世の中に、「小鳥」が歌わなかったら、人は微笑むことを知らなかったかもしれない。

もしこの世の中に、「音楽」がなかったら、このけわしい現実から逃れられる時間がなかっただろう。

もしこの世の中に、「詩」がなかったら、人は美しい言葉を知らないまま死んでゆく。

もしこの世の中に、「愛する心」がなかったら、人間はだれでも孤独です。

                                            中原 淳一

私が今回買ったポスカと以前から持っているポスカです。
中原淳一展 へ_c0087094_175756.jpg


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中原淳一さんがパリに滞在されていたとき描いたパリの少女の部屋の絵が描かれたクリアファイルを買いました。

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↑のデザイン画を元にして作られた洋服が
今回展示されていました。

中原淳一展 へ_c0087094_1801733.jpg

会場内で撮影可能だったのでスマホで撮影。

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中原さんが提案された少女の部屋
今見ても、古さなど全然感じません、白を貴重に赤やピンクの挿し色がかわいい女の子の部屋ですね。

中原さんのデザインを丸山敬太さんが再現したドレス
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中原さんがデザインされたブラウスの数々
中原淳一展 へ_c0087094_1843571.jpg


中原さんは、お仕事がハードだったので40~50代で病気になり療養生活を強いられましたが、
見事、復活を遂げられ、晩年は、大人世代の女性向けの雑誌を出版されます。

そして再び病に倒れるまで
筆を持ち続け、2番目のポスカの画像の日本髪を結った女性の絵が
絶筆となって亡くなられました。
(少女が着ている着物の蝶々の柄が途中までになって白い部分が残っています。)

展示を見終えて、展示前は、昭和の少女文化を一躍広めた方というイメージが強かったのですが
大きく覆されて、その中味や内容はもっともっと深く濃いものだったということがわかりました。

私も、女性として生まれた以上、外面の美だけではなく
内面の美を磨いて、賢い女性にならなければ・・・と改めて感じました。
by strawberryfield_b | 2013-07-12 18:26 | 横浜