奈良大和路 2015春紀行 ①浄瑠璃寺
2015年 04月 22日
4月9日
私が関西滞在中で、一番穏やかで春らしい日よりでした。
父と友人であるIさんと一緒に奈良方面へ、春の散策に出かけました。
近鉄の奈良駅で待ち合わせをし、
この日は移動距離が長いし、少し交通の便が悪い場所にも行くのでタクシーを使って一日廻ることに。
Iさんは、出身が東京下町チャキチャキの江戸っ子です。
今は、古都にお住まいですが、
奈良方面には、あまり行かれたことなくて父が案内をかってでたのです。
聡明なIさん、電話やお手紙のやりとりはありますが
こうして会ってご一緒するのは初めてで
最初はとても緊張していたのですが
すごく包容力のある方でとても楽しい時間を過ごさせていただきました。
最初に向かったのは、浄瑠璃寺。
奈良県と京都府の境にあって
場所は、京都府木津市加茂町にあります。
京都と云っても、周囲の景色は、のんびりとした大和路の田園風景が広がっています。
浄瑠璃寺は、
堀辰雄の「大和路 信濃路」の
エッセイ「浄瑠璃寺の春」に描かれています。
その中で
「この春、僕はまえから一種の憧れをもっていた馬酔木の花を大和路のいたるところで見ることができた」という文章で始まります。
「一番印象深かったのは、二時間あまり歩き続けたのち、ようやっとたどりついた浄瑠璃寺の小さな門の傍らに、
ちょうどいまさかりと咲いていた一本の馬酔木をふと見だしたときだった」
堀辰雄のエッセイに描かれていた馬酔木の花
昭和18年に書かれたとされていますが
当時に比べて少し弱ってはいますが
馬酔木の花が咲いていました。
大和路の春を彩ってくれる可憐な花。
小さな白い花で楚々とした印象。
奈良では、この花をあちらこちらで見かけることができました。
馬酔木の名は「馬」が葉を食べれば毒にあたり、「酔う」が如くにふらつくようになる「木」というところから
付いた名前であるとされています。
浄瑠璃寺が好きな父は、5~6回訪れたことがあり
今回は少し残念だった様子、
参道沿いの馬酔木も少し弱り、以前参道に植えてあった桜も今回は枯れてしまったのかなかったそうです。
春は、桜は少なくて八重桜とミツバツツジが彩を添えていますが
もみじの木が多くて
秋の紅葉の頃は、とても綺麗になるのかなと想像が膨らみます。
浄瑠璃寺は、真言律宗という大和西大寺を総本山にした奈良仏教の宗派。
寺名は、薬師仏の浄土である浄瑠璃世界から名づけられたそうです。
浄瑠璃世界とは、
澄みきった静寂と清浄の理想の世界のこと。
歴史は古く
平安時代の1047年に創建された古刹です。
1107年に造られた九体阿弥陀堂の仏像が有名。
このように池を中心とした庭園は、浄土式庭園と呼ばれて
平等院鳳凰堂に代表されるように極楽浄土の世界を再現しようとしたため金堂や仏堂をはじめとした寺院建築物の前に
園地が広がる形をとっています。
浄瑠璃寺のほかに宇治の平等院鳳凰堂や岩手平泉の毛越寺などが代表的な浄土式庭園です。
三重塔にある薬師仏は、現実の苦悩を救い西方の浄土へ送りだす遺送仏
対岸の阿弥陀堂には、阿弥陀如来九体仏が祀られており
ちょうど、美しい「吉祥天女像」も特別に公開されていました。
路傍にある石仏
可憐なバイモユリの花
こういう土塀を見つけるとなんだか嬉しくなる。
奈良らしい風景
(でも、ここは、京都府なんですよね。ややこしくてすみません。)
此方の土塀は民宿&お食事処
昼食にうどんセットをいただきました。
浄瑠璃寺近くにあったお土産物屋さん?なんでも屋さん?
なんだか、時が止まったかのようなゆる~い空気感があって
安らぎます。
こちらのお店では、吉野葛粉と葛を使ったうどん(乾麺)を買いました。
by strawberryfield_b
| 2015-04-22 15:32
| 奈良