常照皇寺は、光厳天皇によって開かれた皇室ゆかりのお寺です。
「南北朝」と云われ、朝廷が二つに分かれ
吉野の後醍醐天皇と京都の光厳上皇が足利氏を後ろ盾に
60年余りも戦いが続きました。
光厳上皇が出家し
この地に庵を結んだのがこのお寺の始まりです。
ひっそりとした山寺ではありますが
境内には、天然記念物である「九重桜」、「左近の桜」、「御車返しの桜」
3大銘木があり趣きのある桜が迎えてくれます。
どの桜も古木で由緒ある銘木。
若木の桜の大木の艶やかさとは
違った年月を重ねた桜の凛とした美しさに感動しました。
儚い史実と重ね合わせると
こうして山深いお寺に、来ることができて感慨深い気持ちになります。
九重桜は、葉桜になりかかっていて
ちょうど御所の左近の桜が見ごろでした。
こちらは、「御車返しの桜」
あまりの美しさにお殿様が御車を引き返して
ご覧になったと云われる桜です。
此方のお寺の参拝客は、ほぼ、熟年層の日本人ばかり。
秋に来た時は、海外の観光客もいましたが
今回は、
このお寺に纏わる歴史や趣きのある桜の銘木を求めて
いらした方が多く、静かな時を過ごせました。