和を慈しむ暮らし
2012年 06月 03日
3月末で、数年間務めたアレンジの世話役を辞めることになった私へのお疲れ会をKさんが開いてくださるとのこと。
私が世話役をしていたときも、いろいろと相談にのってもらったり、労いの言葉をかけていただいたりしました。
精神面においてもいろいろ支えていただき、ありがとうございました。
Kさんは、美術や音楽にも造詣が深く、最近は、大好きな京都のことをいろいろ教えてもらっています。
玄関を上がって、すぐにご実家のお庭のお花のしつらえ、季節を大切にする暮らしをされているなと実感します。
リビングルームはすっきりとした松本家具とイギリスのオークのアンティーク家具が素敵に融合された和テイストお部屋でした。
額紫陽花と似たお花は、「甘茶」というユキノシタ科の落葉低木。
お釈迦様誕生のお祝いの時に使われる甘茶は、この葉っぱを蒸して揉み煎じたものだそうです。
写真上段、左
テーブルに飾っているお花は、どくだみ。
何気なく近所の公園や道で咲いていて今の季節よく見かけますが、
こうして器に生けてみるととても楚々とした花なんだな~あらためて思います。
Kさんは、ひそやかに咲く野の花や茶花が大好きなんだそうです。
写真上段、中央
最初に、お食事が出てくるまでの間、冷茶とあんみつをいただきました。
西洋のグラスに日本茶、透明のグラスに鮮やかな緑茶の色が映えてとてもきれい。
器も京都の市で買い求めたものなどこだわりのお品の数々です。
写真 上段 右
甘茶
清楚で、かつ凛とした趣のお花です。
写真 下段 左
お食事
一品、一品どれも手の込んだお料理の数々。
季節の野菜、アスパラや空豆を使った精進揚げ
鶏肉のささみと梅の揚げ物、
お出汁も美味しい冷やしうどん。
おうどんもしこしこしてとても美味しかったです。
手作りのゴマ豆腐。
切子ガラスに入っているのは、きゅうりと穴子の梅味噌あえ。
右端のある小皿には炊き込みご飯のおにぎり。
どのお料理も手作りの温かさと優しさに溢れたご馳走ばかりでとても美味でした。
どこか古都の隠れ家レストランに伺ったようなお料理でした。
Kさんは、漆器や関西方面の骨董市でよく売られているお平椀を多用されていて、とても参考になりました。
写真 下段、中央
食後は、中国で買われたプーアル茶。
Kさん自ら、千枚通しで茶葉を剥がすように削ってお茶を淹れてくれました。
実際に目の前で中国茶を淹れていただくのを見たのは、初めてでした。
色は濃い茶色で渋いように見えますが、お茶の味はとてもまろやかで甘みがあって美味しかったです。
茶器もKさんお気に入りの器を自ら金つぎされたものです。
こうして古い物をいとおしみ、大事に使われているとのこと。
骨董のお店で買われた器などは普段の生活に惜しみなく使われていて
日本の暮らしや、美、季節感を大切にされています。
ご夫婦共々、骨董や音楽などの共通の趣味があって素敵。
Kさんのライフスタイルは、とても素敵で憧れです。
そしてお抹茶まで点てていただいて、最後の最後までお心配り、本当にありがとうございました。
私も時々家に人を招いたりすることもあるので、目には見えないことですが、
お料理の準備だったり、おもてなしのことだったり、いろいろ招く人のことを思い浮かべて考えたりします。
ひとしな、一品、Kさんの優しいお心使い、感謝の気持ちでいっぱいです。
Kさんのように、さりげない素敵なおもてなしができるようになりたいと思います。
心に残る一期一会のひとときをありがとうございました。