秋の京都散策 智積院
2014年 11月 01日
秋の京都散策 最後の記事です。
こちらも以前から
行ってみたかった寺院です。
場所は修学旅行で必ずといって訪れる三十三間堂の近くにあります。
智積院 (ちしゃくいん )
金堂
智積院は、真言宗智山派の総本山として全国に末寺三千余を擁しています。
その中には、関東でも有名な
成田山新勝寺、川崎大師平間寺、高尾山薬王院、高幡山金剛寺など別格本山があります。
智積院を訪れた第一の目的は、
長谷川等伯一派が描いた
障壁画を観ることでした。
桃山時代に全盛だった狩野派に対抗して独自の画風を確立した
長谷川等伯の国宝障壁画を所蔵し、収蔵庫では、
貴重な障壁画を鑑賞することができます。
楓図、桜図、松に秋草図など
特に楓図、桜図の障壁画は有名で
桜図は等伯の息子久蔵が25歳の時に描かれたもので
華麗な八重桜が描かれています。
久蔵が26歳の若さで急逝し、父親の等伯が息子に対する哀悼の意を込めて楓図を翌年に描きました。
魂を込められて力強く描かれた楓と秋草は、心に響いてくる障壁画で、しばらくその場に立ち尽くしてしまいました。
東京国立博物館の「国宝展」開催中につき、松に秋草図は観ることができませんでした。
長谷川等伯とは
天才絵師と云われ
桃山の戦国時代、画壇を独占する狩野派に闘いを挑み
やがて豊臣秀吉から障壁画の依頼を受けるまでになります。
秀吉亡き後も、自らの画業を発掘させた闘いの人生だったと云われています。
講堂
名勝庭園
智積院の庭園は、自然石や刈込を巧に用いた美しい庭園で
利休好みの庭と呼ばれています。
大書院より庭園を眺めます。
池の水面に映り込む石の形が美しい。
智積院に行った日の夜
ちょうど、タイムリーにBSプレミアムで「長谷川等伯」の番組があり
興味深く見ました。
現在のゼネコンのような規模に匹敵する狩野派に
町の工務店規模の長谷川等伯が対抗するくらいの格差があったそうで
そういう状況で天下人豊臣秀吉からの障壁画の注文を請けるということは
当時としてはあり得ないほどの名誉だったようです。
西洋美術は、好きでよく観に行く機会があって
作者の人となりや作品への影響など興味深いものが多々あります。
日本の美術においても、同様に歴史背景などが作品との
深い関わりがあり、いろいろ深く知ると興味深いですね。
京都は、寺院、歴史、文化、美術、手工芸品、食べ物、
あらゆる分野において
興味や知識を広げてくれる題材が事欠きません。
11月に入り、紅葉の季節になりますね。
さて今年は、どんな紅葉に出会えるのか
また、愉しみが増えました。
by strawberryfield_b
| 2014-11-01 21:34
| 京都